9月に入ってから朝と夜は涼しくなり、
少しずつ秋めいてきましたね。
さて、秋といえば松茸。
その松茸の香りを最大限に生かし、
堪能できる料理は「土瓶蒸し」です。
一風変わった器で出される土瓶蒸しを、
あなたは美しい作法で、
食べることはできますか?
本日は、土瓶蒸しの正しい食べ方をご紹介いたします。
まず土瓶蒸しは、
食べやすくなるように猪口とすだちを取り分けます。
左側に猪口を、すだちは裏返した蓋の上に置き、
右奥に添えると、見栄えが良いです。
出汁の香りを楽しみながら、
一杯目は出汁だけを味わうのが粋です。
最初からすだちを絞ってしまうと、
微妙な香りや、味の加減が付けられなくなってしまいます。
適度に出汁を味わった後は、
猪口に具を取り出し、食べます。
土瓶から直接口にしても構いませんが、
猪口に取り分けた方がスマートです。
出汁と具を適度に楽しんだ後は、
すだちを猪口に絞ります。
絞り加減で、微妙な味わいをお愉しみくださいね。
その中に松茸や鱧を入れながら、
出汁と一緒に味わってもまた美味です。
食べ終わったら、蓋を閉じます。
すだちは、土瓶の中に入れても良いですが、
果肉の側を裏返し、
猪口の中に置いておくと、
食べ終えたサインになります。
ここでのポイントは、
松茸や鱧を味わう場合は、
松茸を先に食べると、松茸の香りを味わいながら、
鱧の味が楽しめますよ。
食事後、猪口の口を戻してしまうと、
土瓶の蓋を汚してしまいます。
猪口は、下のように置くのが理想的です。
秋には外せない、
風味豊かな土瓶蒸し。
折角なら美味しく、最後まで綺麗に味わいましょう。
和食を楽しむ料亭の女将は松茸で秋を楽しみます。