大垣の料亭助六のちかげ女将です。
「おねーさーん、お客様お出掛けでございます。」とお客様がお帰りになるときに女将は叫ぶのです。が、新米おもてなし係は「何?、どうすれば?」と何の事だか理解できないようです。
料亭においては、お出掛け=お帰りなのです。
「お出掛けです」言われれば、経験豊富なおもてなし係は、お客様の上着を用意して、玄関で靴をだしお帰りの準備をするのが当然ですが新米には理解できないようです。
私にとっては普通ーのことが新米には未知の世界の様です。
「お客様お帰りです。」と断定するよりも「お客様お出掛けです」と言った方が次につながる言葉だと思いませんか?
お帰りは、終了の意味があります。
お出掛けは、お越しいただいたお客様に次に帰ってきていただける繋がりがあります。
もう一度お目にかかれる余韻があります。
終わりよければすべて良しですので最後の最後までおもてなしをさせていただきます。
料亭は言葉一言を大切にしてお客様に心地よく、寛いでいただく努力をしております。