秋の出会いものとされ、言わずと知れた組み合わせです。
出会いものとは、異なる季節に旬を迎える食材で、
料理の相性が良い組み合わせのことを言います。
鱧は初夏に旬を迎えますが、
旬が過ぎてもうそろそろ終わり、
という食材を惜しむのが「名残」です。
松茸は香りが楽しめるようになるのは秋から。
旬よりも前に初物をいただくのが「走り」です。
季節の移ろいを感じながら頂くその味は貴重で
贅沢な味わいとしても楽しめます。
しかも夏が旬とされる鱧は、
それほど知られていないことですが、
もう一度秋に美味しい時期が来るのです。
それが松茸が走りの時期の鱧。
産卵を終えとても脂ののった、弾力性のある身になります。
助六では今月のお料理の【吸物】では、
名残の鱧と松茸を使用しています。
どちらも表面を炙り、香り高い松茸と、炙ることで旨みがギュッと閉じ込められた鱧の身を
ご一緒にお楽しみいただけます。
素材の味と香りでじっくりと季節の移ろいを感じながら
ごゆっくりとご堪能くださいませ。
和食を楽しむ料亭の女将は、こんな贅沢な組み合わせならゆっくりとじっくりと味わいたいものです。