大垣の料亭助六のちかげ女将です。
お店が早く終わると主人と夜食を兼ねて飲みに行くことがあります。
常連にしていたのは近所の「風雪」というお好み焼き屋さんでした。
冬になると京都から取り寄せた練り物を使ったおでんがあり、飛騨牛の筋も煮込んでありました。
夏は、どて煮になり、大鉢に野菜や魚が炊いてありました。
常時は、ネギ間、砂肝が置いてあり、から揚げも絶品でした。
「風雪」には、父が若いころから通いづめ、父からバトンタッチして私たち夫婦が行くように。
娘たちも小学校から通っていました。
お客様も「風雪のお好み焼き」とおっしゃり、出前を頼み助六の座敷にも登場したぐらいの絶品でした。
助六の食の補給所でした。
そんなお店が、去年閉店してしまい、今行くとこがなくて困ってます。
たまに新しいお店を見つけに行くのですが、なんとなく味も雰囲気も違い、2回と行きたくなるお店が見つかりません。
風雪さんのように手間暇をかけたお料理を出すところが見当たりません。
風雪さんがあったときは、代わりばえしないなーなんて思ったことも。(お母さんごめんなさい)
閉店すると良さがわかるのですね。
常連、永く通うということは、何気なくということはないんです。
理由があるんです。料理、オーナーの人柄、が好きだから通うんです。
助六のご贔屓さんに満足いただけるように。
「助六も毎回行きたいところ。」「助六しかない」
と言ってもらえる料理を作らなければいけません。
きっと常連には変化がないな、マンネリと思われているかも。
料理って見栄えも大切だけど目に見えない手間暇を惜しまなくかけて出てくる美味しい味。
素材を生かした味を大切にすることが大事です。
閉店してからわかってもらえては遅いので、今ご来店いただけるお客様に目と味で満足いただける料理を作りリピートしていただきます。
助六の味が好きだから、助六の人柄が好きだからご贔屓していただきます。
料亭の女将は閉店した風雪さんから学ばさせて頂きました。