本日は、
「吸物の作法」をご紹介いたします。
会食の時、吸物の椀には蓋が付いていますよね。
これは温かさを保持するためでもありますが、
もう一つ理由があり、
香りを逃がさないためでもあるのです。
椀の蓋の正しい使い方としましては、
中の吸物をこぼさないよう、そっと蓋を開けます。
こうすることで、
蓋を開けた瞬間、
良い香りを楽しめますよ。
次に蓋の裏側に付いた水滴は、
椀の中に落としましょう。
これを「露切り」というのですが、
蓋を軽く傾け、回すようにすると上手くいきますよ。
露切りをしたら、蓋は水滴のついている内側を上にして、
椀の右側におきましょう。
そして吸物を飲む際は、
椀は必ず持ち上げて飲みます。
箸は持ったままで良いのですが、
箸は椀の中に入れて飲みましょう。
こうすることで、
口を付けた箸先を周囲に見られずに、
飲むことができます。
箸を置いて吸物を飲む場合は、
片手飲みはせず、左手で底を支え、
右手は椀の横を支えながら飲みましょう。
中の具を食べる際は、
椀を持ち上げたまま、箸で身をつまんで食べます。
口に椀を直接食べることは避けましょう。
ただし、木の芽や針生姜などは「吸い口」と呼ばれ、
汁とともに吸っても良いとされています。
これが、椀の正しい使い方です。
吸物を食べる際は、マナーを守り、
美しい作法で深く味わいましょう。
より美味しく食事のひと時を楽しめますよ。
和食を楽しむ料亭の女将は、美しくマナーを守り食事を丁寧に味わいます。