歳暮とは、年(歳)の暮れのことで、
歳末(さいまつ)または歳晩(さいばん)とも言います。
他には 一年の終わりの十二月の季語でもあり、
比喩表現としては、人生の終わりの老年期を意味します。
歳の終わりに、お世話になった人に対し
感謝の意を示す「歳暮まわり」と呼ばれる
年中行事を行われることが多く、
この時の贈答品が「お歳暮」と呼ばれ、
現在では、
「歳暮」「お歳暮」 と言った、
贈り物の習慣を指すことが一般的になりました。
日本では、取引先の企業の担当者やその上席、
担当役員などにお歳暮を贈る習慣が広く存在し、
毎年十二月中旬〜下旬にかけ、
企業から企業への贈答、
また得意先幹部同士の贈答、
社員同士の贈答が広く行われています。
近年では、社会生活を営む上でお世話になった人だけで無く、
友人や知人、親族にも贈る傾向があるなど、
少しずつ変化してきています。
お歳暮の習慣は、
新年に家々で飾る年神様の信仰に基づくもので、
祖先を敬い、新しい年の豊作を祈るための供物を、
年末のうちに配った習慣が、
現在にも伝わっていると言われています。
また、こうした信仰から来る習慣だけで無く、
江戸時代の商習慣に基づくという説もあるそうです。
江戸時代には、
商売の基本が掛け売りであり、
「盆と暮れ」には年半分の請求書が届き、
それを支払うことになっていました。
その際に日頃お世話になっているお礼と、
新年もよろしくお願いしますという思いを込めて
贈り物をする商習慣と、
年神様への供物を配る時期や習慣が重なって、
年の暮れの贈り物として
現代に伝わっているという説もあり、
こんな粋な習慣が長い年月、受け継がれてきたのですね。
和食を楽しむ料亭の女将は、毎年お歳暮を贈る習慣を大切にしています。