本日は「鮑」をご紹介いたします。
鮑の旬は、秋口の産卵期を前に控えた7~9月です。
旬の鮑は身が太く、
通が好む「キモ」が充実し、特に美味しく食べられます。
鮑に含まれる蛋白質は、
硬蛋白質であるコラーゲンが多いため、
肉質は硬く、コリコリとした歯ごたえが楽しめます。
加熱することによって、
コラーゲンが熱でゼラチン化すると考えられ、
柔らかくなります。
鮑は縄文時代の遺跡からも殻が出土し、
邪馬台国の女王卑弥呼に始まる時代の天下人の食卓には、
必ず鮑がのっていたそう。
昔から日本人の食生活において、
重要な位置を占めてきた、馴染みの深い食材なのですね。
そんな旬の鮑の美味しい食べ方をご紹介いたします。
刺身にしても蒸してもどちらも美味しくいただけます。
キモも新鮮なものであれば、
シンプルに醤油と和えてキモ醤油として、
刺身の風味付けにもオススメです。
殻つきの鮑を丸ごと網で焼くと、冷たいビールが進みます。
助六では今月のお料理の【先付】で、
鮑をおもてなししています。
ほんのりと香る磯の香りと、
コリコリの歯ごたえ、肉厚のある食感が
贅沢ながら食べ応えもあります。
爽やかな梨の香りと、上品でさっぱりとした甘さの梨餡が
程良いアクセントになっています。
是非、ご賞味くださいませ。
和食を楽しむ料亭の女将は、鮑があると贅沢な気分になります。