大垣の料亭助六のちかげ女将です。
夏に美味しくなる貝の代表といえば鮑です。マツタケと並ぶ高級食材として有名ですが、鮑は海藻をエサとしているため海藻の栄養素を濃縮している貝としても注目されています。
コラーゲンが非常に豊富な鮑は女性の味方
貝類に含まれるコラーゲンの量は貝の身のかたさに比例するといいます。つまり、かたい貝ほどコラーゲンが多いのです。塩で締めると身がカチカチになる鮑は相当にコラーゲン含有量の多い貝。コラーゲンの体内生成量は40代を過ぎると格段と落ち、皮膚のハリが無くなりシワやシミが増え、骨の老化や関節痛なども起きやすくなります。鮑には皮膚などを若々しく保ち骨を丈夫に保つ働きがあります。
あの偉人たちも鮑を好んで食べていた
日本ではなんと平将門や織田信長、また徳川家康や邪馬台国の卑弥呼にはじまる天下人の食卓に必ずアワビがのっていたと言われています。中国では、秦の始皇帝がアワビの殻を不老長寿の妙薬としていたことや、楊貴妃が美容のために好んでアワビを食べていた等の伝説もあるそうです。不老不死の薬とされたアワビが獲れる日本に対して、長寿国との思いを古代中国の人が抱いていたのは確かです。そのため、今でも中国には長寿を願う「鮑」という姓が残っています。
▲鮑 にこごり肝ソース
栄養価が高く昔の偉人たちも食べていた鮑ですが注目すべきはこちらです。妊娠中の母親があわびを食べると目のパッチリした子が生まれるのです。妊娠中に「○○を食べてはいけない」というタブーは多いですが「○○を食べるとよい」と言われる数少ない食べ物の中に鮑があります。鮑には漢方の薬用効果がうたわれており目のキレイな元気な赤ちゃんが生まれるという言い伝えがあります。現在では、タウリンによる働きであることがわかっています。タウリンは成人の視力回復だけでなく、胎児の網膜の形成や乳幼児の目の発達にも欠かせない存在であるのですよ。