大垣の料亭助六のちかげ女将です
やっと暖かくなって(暑くなって)川の水温も上がりました。
やっと今年もサツキの花が咲くころに長良川を遡上してくるサツキマスが入荷しました。
太公望にとっては幻の魚で是非釣り上げたい魚だそうです。
幻の魚と言っても過言ではありません。
サツキマス(アマゴ)の生態
サツキマスと短期降海型サクラマスはそっくりだ
以前、NHKの番組の一部で、長良川のサツキマス漁が紹介されました。漁師さんの獲ったサツキマスは短期降海型サクラマスとそっくりなので、私は本当に驚きました。テレビの画面だと、サツキマスに特徴的な朱点が見えないので、なおさらでした。サツキマスと短期降海型サクラマスは釣れる時期やサイズがほとんど同じです。そこで、サツキマスの生態を復習すると、短期降海型サクラマスを理解するのに役立ちます。
参考図書です。
- 日本の淡水魚 カラー名鑑 川那部浩哉、水野信彦編・監修 山と渓谷社(1989年)
- 大ヤマメの世界 白石勝彦著 山と渓谷社出版(1985年)
- 淡水魚ガイドブック 桜井淳史 渡辺昌和著 永岡書店(1998年)
サツキマス(アマゴ)の生態
サツキマスはアマゴの降海型です。
■分布
静岡県以西の太平洋や瀬戸内海に注ぐ河川に生息。最近は、人工放流のため、日本海側の河川でも釣れる。■産卵、幼魚の発育
秋(10月中旬~11月下旬)に、渓流で産卵する。ふ化した稚魚は春になると泳ぎだし、盛んにエサを摂って成長する。■銀毛化
生後1年目(当歳魚)の秋に銀毛が始まり、降海する。長良川では、この銀毛をシラメと呼ぶ。雑誌で、フライフィッシングによるシラメ釣りの記事を見たことがあるが、ウロコのはげやすいシラメは、とても痛々しかった。(キャッチアンドリリースしても生き残るのだろうか。)■サツキマスの遡上
5~7月頃川に遡上する。したがって、海洋生活は3~6ヶ月。遡上時の体長は30~40cm、体重は300g~1Kg。産卵期の秋まで川で過ごし、産卵後ほとんどが死ぬ。■戻りシラメ、のぼり
銀毛化したシラメが川を下ったが、春まで下流域で生活して成長、降海せずに再び遡上するものを戻りシラメとかのぼりという。パーマークが再出現する。上流域で銀毛化せずにいた、本来のアマゴより大型化する。また、ヒレの先端は黒く、偽銀毛とは異なる。■サツキマスと通常のサクラマスの違い
サツキマスと通常のサクラマスの違いは、
- サツキマスは当歳魚で銀毛化するが、通常のサクラマスは2歳魚で銀毛化する。
- サツキマスは海洋生活が3~6ヶ月と短いが、通常のサクラマスは約1年。
- これらの結果、サツキマスのサイズは30~40cmしかないが、通常のサクラマスは50~60cmになる。
サツキマスを釣ったことはありませんので、写真をお見せできません。でも、図鑑で見る限り、サツキマスと短期降海型サクラマスはよく似ています。サツキマス系もサクラマス系も、元はひとつの種類だったものが進化の過程で分化したので当然かもしれません。サクラマス系の中にもサツキマスのような短期降海型のものがいるのは興味深いです
私の思うサツキマスの特徴
①身体は30センチほど。
②身体の赤い半纏が特徴(川にいたころのアマゴの赤い半纏と一緒です。)
③身体は綺麗な銀色をしております。きっと川の中で見るとキラキラ光っていると思います。
④生の切り身はピンク色ですが焼くと淡いピンク色に色が変化します。これが鮭との違いだと
思います。
⑤味は油が程よくのっています。上品なお味です。
ぜひともこの時期ならではのこの地域の魚です。一度は食べてみてください。きっとファンになりますから。
料亭の女将はサツキマスの炊きこみご飯が大好きです。
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